「入れ歯」について書いてみたいと思います。
「私はまだ若いし、歯だってしっかりあるから関係のないテーマだわ」
「おじいちゃん、おばあちゃんの話でしょう?」
と思われる方も多いことでしょう。
しかし、こののテーマはぜひ、お若い、しかも、まだ歯がしっかり残っているという方にこそ読んで頂きたい内容なのです。
あなたはこんな風に思ってはいませんか?
「もし、歯が抜けたら入れ歯かブリッジにすればいいじゃないか」
「入れ歯が嫌なら今はインプラントがあるじゃないか」
「入れ歯でも、噛めるんでしょう?」
私どもにご相談にお越しになられる患者さんのほぼ9割の方は、このように考えておられる方でした。
また、同じように吉本歯科医院では「無料メール相談」ということを開業以来行っております。
この相談には毎日多くのご相談が寄せられます。
お悩みのご相談の内容を少しご紹介します。
■ 歯が抜けたのでそのまま4年ほどほうっておいたら口の中全体の歯並びが崩れてきた
■ 歯がなくなった部分に入れ歯をしたら、違和感がひどくて苦しい
■ 数十軒の歯医者さんで入れ歯を作り直ししているが、高い費用をかけてもすぐに痛くなる
■ 入れ歯を入れて噛むたびに、痛くてたまらない、神経に触るような痛みだ。
■ 入れ歯にした途端に食事の味が変わってしまった。
■ 長年入れ歯で噛んでいるうちに下顎の骨が薄くなってすっかり老人の顔になってしまった
■ 入れ歯安定剤を使ってもカラオケで歌っていると入れ歯がポロリ落ちてしまう
歯を失って、その後、失った部分に「入れ歯」を入れられている方は本当に多くいらっしゃいます。
しかも、歯を失う年齢というのは老年に限りません。
私どもには、30代、40代前半ですでに多くの歯を失ってしまったという患者さんも多くご相談にお越しになられます。
歯を失う一番の原因,歯周病としては
① 細菌性による感染症
② 噛み合わせから起こる過剰な力(破壊的な力)
③ ①と②が合わさったもの
この3つが上げられます。
また、虫歯や事故や怪我などの外傷によって歯を失ってしまう場合もあります。
お若い方であっても、ある程度お年を召した方でも
歯を失ってしまった場合には選択肢は4つ、です。
① 入れ歯(取り外し式の義歯)
② ブリッジ
③ インプラント(固定式の義歯)
④ 何もしない
まず①の入れ歯(取り外し式の義歯)です。
歯を失った場合に一般的にイメージされているものです。
例えば、金属製のバネで入れ歯を引っ掛ける場合ですが、この入れ歯は、その位置を維持する為に前後の歯に金属の針金を引っ掛けなければなりません。
違和感があり、清掃も難しく、見栄えも良くありません。
バネがかけられた健康な歯は、釘抜きのように咬むたびにこねられて、次第に抜けていきます。
総入れ歯の場合ですが、何枚も座布団を積み重ねた上に正座している状態ですので,力が掛かると、ぐらついたり、ずれたり外れたりします。
肉(歯ぐき)の上に乗っかっているだけですので,食べ物を噛むために充分な力をかけることが出来ません。
②のブリッジですが、両隣の健康な歯を削って人工の歯をかぶせます。
この形のブリッジでは、健康な歯を全面全周に渡って大きく削らなければなりません。
③ のインプラントですが、10年前に比べ圧倒的にインプラントを選択される方が増えてまいりました。
失われた歯根の部分にチタン製のネジを埋め込んで義歯の支えとするのが、今日行われているインプラント(人工歯根)療法です。
この治療法では、残っている健康な歯への負担が増加することはありません。
インプラント治療では、ブリッジ治療のように両隣の健康な歯を削る必要がないため、両隣の歯はそのままで負担がかかりません。
また、歯を失った所にインプラントを土台にして人工の歯を固定しますので、従来の入れ歯のように取り外す必要がありませんので、見栄えも美しく、清掃も自分の歯のようにおこなうことができます。
しかし、失った歯を再現できる、と夢のような治療を想像される方がほとんどですが、実は全ての方に適応できる治療ではございません。
また、それぞれの治療には全て長所と短所がございます。
全ていい、ということは絶対にないのです。
まずはそのことを知って下さい。
次回は、それぞれの長所と短所を書いてみますね。