「薬で治す治療法実習セミナー新基礎コース」が3月21日日曜日に大阪で開催され参加してきました.
薬で治す治療法は病巣無菌化組織修復療法薬で治す治療法の一つで,科学的に証明された治療法です.一般の方に判りにくいので,簡単に言うと「薬(抗菌剤)を使ってバイ菌を無菌化する治療法」です.
実はこのお話をお聞きするのは4回目になります.7,8年前になりますでしょうか東京での基礎コース,香川県歯科医師会が主催する学術講演会,東京でのアドバンスコースの3回でそれぞれお話を伺っていました.
吉本彰夫は良いと思った講演会には何度も参加させていただくようにしています.
なぜって思われる方もいらっしゃるかもしれません.
スタッフにも思われているかもしれません.
講演内容は毎回進化されており、
また吉本自身の受け取る能力も進化できます.
同じ内容を聞いても1回目と2回目そして3回目と感じることが違うのです.
本当の意味を受け取れるようになっていくことができるのです.
歯科医師は職人です.
例えば,ある治療法があるということを知っている.
受講して知っている.理解している.実際にできる.実際に結果を出せる.人に伝えることができる.人に教えることができる.それぞれのステージというものがあります.
それぞれのステージで受け取れる内容そのものが違うのです.
考え方そのものまで違うのです.
講演される先生もまた進化しており,過去の手法に修正があったり,より良くなっていたりします.
一生勉強と言われますが,まさにその通りです.数年前に受講された先生でうまくいかないことがあるという先生は何度も受講されることをお勧めします.
すでに薬で治す治療法実習セミナーの受講生は1万人を超えるほどらしいです.
しかし実際には50名程度しかものにできていないとおっしゃられていました.
その意味がよく解かりました.
さて今回は4回目ということもあって,先生に直接細かいご指導を受けることができました.
最初はこんな小さな質問をしてもいいのかと戸惑いましたが,逆に先生はさらに深く掘り下げて教えてくださいました.
何度も何でも私の質問にお答えいただきました.
患者様もご存知になられていた方が良いと思われる講義の内容を一部ご紹介しましょう!
・ 薬で治す治療法は虫歯の治療法だけではありません.
・ 薬で治す治療法1987年に学会発表されて以来,研究され実績をつまれたものである.最近でてきた全く新しい未知の治療法でもなければ,勘で行われているものでもない.十分な複数の研究によって裏づけされた科学的な治療法であり,十分な症例数を持った安全な治療法である.
・ 術者間による治療成績の差が大きい
・ 咬合(過か重のない噛み合わせ)と接着(封鎖)が重要である.
・ CR-inlayによる修復(補綴)は永久補綴ではない.磨り減ったり,脱落する可能性がある.
ここで,受講者向けですが,個別質問でお答えいただいたのですが,とても重要です.
・ 薬剤の稠度調整が以前と比べて硬くしている.
・ 薬剤は失活歯においても無機質にも有機質にも浸透していく.
なぜこんなことが重要かと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,これは次亜塩素酸ナトリウム溶液の取り扱いにおいてとても重要な考え方です.
講演では時間が限られているので,局所のことを中心にお話されていますが,全体の噛み合わせ(咬合)から1本1本の歯の荷重バランスを考えられています.また接着歯学にも精通されています.これらのことは歯科医師みんな知っているはず,当たり前だからわざわざ大事な講義の時間を割いて話すほどの内容ではないと思われていらっしゃるかもしれません.つまり野球選手のイチローのように何でも問題なく簡単に出来てしまうのです.
ですので,受講生は自分で咬合と接着歯学の勉強と膨大な手技練習をつむ必要があります.そうすれば成功されると思います.
講義で知覚過敏のお話をされます.なぜでしょうか?知覚過敏に咬合が大きくかかわっていることを理解してほしいのだと思います.むし歯と呼ばれているものの原因に咬合が大きくかかわっていることを伝えられたかったのだと思います.咬合が原因であるという場合には,治療後にその原因も解決しておく必要があります.なぜ1回で治療を終えることを強調されるのでしょうか?なぜ30分なんでしょうか?なぜEDTAやNaOClでなければならないのでしょうか?なぜCR-inlayの作製を1度ではなく,なぜ2度に分けてコンタクトを作製されるのでしょうか?なぜマージン部は1塊で行わなければならないのでしょうか?
なぜあそこまで練りつぶさないといけないのでしょうか?すべて理由があります.そこが理解できるといろいろな症例に応用が利くと思われます.