歯を失った場合の3つの治療法|抜歯後の治療の解説|高松市の吉本歯科医院

虫歯の悪化や歯周病の進行、歯の破折などにより抜歯となり歯を失ってしまった場合、その後どんな治療があるのか?と思われますよね。

歯を失った場合、どの治療を選択する場合にも最も重要なことは実は「咬み合わせ」です。残った歯の本数によっても選ぶ治療法は変わってきます。

インプラント治療が一番良い治療法とは限りません。歯を失った場合には3つの治療法があります。入れ歯治療、インプラント治療、ブリッジ治療。また、何もしないという方法もあります。

歯の本数と噛む力の関係

奥歯は大黒柱!失うと・・・?

歯を抜いた後の治療法|高松市の歯科|吉本歯科医院

私たちの口の中には親知らず上下4本を除くと28本の歯があります。28本もあるんだから1本くらい抜けても大丈夫でしょう?と思われる方は非常に多いです。

しかし実は奥歯1本を失うだけで噛む力は大きく低下します。

歯にはそれぞれ1本1本役割が違います。奥歯は大黒柱のような役目をします。

奥歯の歯の根をご覧になったことがあるでしょうか?

奥歯はこのように足が3本しっかりあるんですね。しかし、前歯には足が1本しかありません。

歯を抜いた後の治療法|高松市の歯科|吉本歯科医院

奥歯から抜けていく

多くの方は奥歯から歯を失っていきます。

奥歯はいわゆる6番目7番目の歯という言い方をします。そのうちの1本は6歳臼歯といい6歳頃に生えてくる歯のことです。

この奥歯ものすごい役割をします。家で言うと大黒柱。家庭で言うと一家の稼ぎ頭。お父さんです。

奥歯は自力で支えることができる構造になっています。

これに対して前歯は、根っこは1本しかありません。ですのでもともと力を支えるような構造にはなっていないんですね。

奥歯を失うと噛む力は大きく低下します。しかし、奥歯を失っても今まで通り普通に噛んでしまいます。

そうなるとどんどんその負担は他の歯にやってきます。そうやって奥歯を失うとドミノ倒しのように他の歯に負担がかかり

ダメになっていくわけです。

どこの歯を失ったのか?何本失ったのか?によって選ぶ治療法は変わってくるのです。

歯を抜いた後の治療法|高松市の歯科|吉本歯科医院

今までとは違う歯科治療

歯を失ってしまった場合、今まで体験されてきた虫歯治療のような「歯を削って被せものをする」といった治療はできません。

歯を失った場合の3つの治療法|抜歯後の治療の解説|高松市の吉本歯科医院

歯を失ったということ歯の根っこごと抜歯してしまったということになりますので、これまでとは違う特別な治療を行うようになります。

今回歯を失うことが初めてという方にとっては体験したことのない治療となりますので、イメージが湧きにくくて当然です。

抜歯後の治療法の選択肢は3つ

歯を失った場合の治療法は3つあります。

①ブリッジ治療

②部分入れ歯治療

③インプラント治療

になります。当然ですが、それぞれの治療には長所と短所があります。全ていいということはありませんし、全て悪いということもありません。

あなたの生活スタイルや考え方によって最適な治療方法を選択されて下さい。

3つの治療法にひとつづつ詳しくお話していきます。

①ブリッジ治療

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ブリッジ治療は、歯を失った方が最初に最も多く選ばれる治療です。歯科医師にブリッジ治療をすすめられることも多いと思います。それほど多くの方はブリッジ治療を選ばれています。ブリッジ治療は歯を上の写真の通り、抜歯してなくなった部分を補うように両隣の歯を使って被せものを装着する治療法です。固定式の治療法になります。

ブリッジ治療という名前が表す通り両隣で橋を渡す治療になります。

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ブリッジ治療の長所

①固定式なので外れない。

ブリッジ治療は、歯に接着させる固定式の治療法のため、付けたり外したりという手間がかからないという長所があります。

②治療期間が短い

また治療期間も比較的短い時間で治療が終了します。

③保険適用で安価

保険が適用されるため比較的安価で治療が受けられます。

※しかし、ブリッジ治療で保険が使えるのは、金属の被せものを装着する場合だけです。金パラ(金銀パラジウム合金)なので、白くて目立ちにくいセラミックなどを装着するときには自己負担での治療が必要になるのでご注意下さい。

④手術の必要がない

インプラント治療では外科手術が必要ですが、ブリッジ治療や部分入れ歯治療は手術の必要がありません。術後の感染や麻酔などのリスクなく作ることが可能です。

ブリッジ治療の短所

①歯を大きく削る

これに対して、ブリッジの最大のデメリットは、両隣の健康なご自身の歯を大きく削らなければならないことです。ブリッジを装着するためには、たとえ両隣の歯が虫歯のない綺麗な状態であっても大幅に削る必要があります。

②歯の寿命が短くなる

ブリッジ治療をするためには歯の表面の一番硬い部分を削り取ります。ですので歯の神経に当然近くなってしまいます。歯の神経近くまで削るということは

痛みが出やすくなるということです。そして痛みが出た段階でその歯の神経は取るしか方法はありません。

歯の神経を取るとその歯は死にます。死んだ歯の強度は10分の1まで一気に落ちます。ですので歯を失う時期がはやまります。

③横揺れの力で両隣の歯が抜けていく

両隣の2本の歯に3本分の負担がかかってしまうため、歯が揺さぶられくぎ抜きのように両隣の歯が抜けてしまう危険性があります。

横揺れの力で両隣の歯が数年で抜けていくという危険性はあまり知られておらず、ブリッジがグラグラしてきてはじめてその事実に気が付かれることがほとんどです。

④見た目が気になる

ブリッジ治療では保険がきくものと保険がきかないもの(自費)があります。保険がきくブリッジ治療は金パラ(金銀パラジウム合金)になります。そのため金属を装着する場合には、見た目に金属が見えてしまうという短所があります。

②部分入れ歯治療

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部分入れ歯とは人工の歯がついた人工の床を残っている歯に特殊なバネがで取り付ける装置です。部分入れ歯は1本のみ歯を失った場合や多くの歯を失った場合まで対応できます。着脱式の装置になります。

部分入れ歯の長所

①短期間で作製できる

部分入れ歯は短期間で作れるため、歯の機能を早く取り戻すことが可能です。失った歯を放置する、両側の歯が倒れてきたり、他の歯に負担がかかったりするため、素早く歯を補えることは大きなメリットです。

②保険を使える

保険がきくので比較的安価で治療を受けることができます。ただし、金属の金具がないものや違和感がすくないもの入れ歯の場合は自費になります。

③手術の必要がない

インプラント治療では外科手術が必要ですが、ブリッジ治療や部分入れ歯治療は手術の必要がありません。術後の感染や麻酔などのリスクなく作ることが可能です。

④失った歯の本数が多くても対応できる

部分入れ歯は、歯が1本でも残っていれば適用可能です。
歯をすべて失った場合でも、総入れ歯であれば適用できます。

⑤歯を削る必要がない

部分入れ歯治療はブリッジ治療とは異なり、両隣の歯にバネを引っ掛けるだけなので歯を大きく削ることがなく治療ができます。

部分入れ歯の短所

①噛む力が弱い

部分入れ歯のそもそも噛む力が弱いです。ブリッジ治療、インプラント治療、部分入れ歯治療の中で最も噛む力が弱いのが部分入れ歯です。

部分入れ歯で今まで通り(歯を失う前の時)のように噛んでいると顎の骨が痩せて(吸収され)骨が溶けてなくなっていってしまう危険性があります。

②異物感がある

更に着脱式であることから、他の治療法と比べて口の中の異物感が強くあります。

③見た目に針金が気になる

金属の金具でひっかけるため笑った時に針金が見えて部分入れ歯が目立ちやすくなってしまいます。

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④何度調整しても合わなくなってくる

歯茎と一緒に骨が痩せてきて部分入れ歯が何回調整しても合わなくなってきてしまいます。

③インプラント治療

インプラント周囲炎とは|香川県のインプラント治療なら吉本歯科医院

インプラント治療は、歯を失った部分に人工の歯根を埋め込んで歯を補う治療法です。「インプラント」と「差し歯」は、どう違うのか?とてもよく質問を頂きます。構造や治療方法が全く違います。インプラントは歯周病や虫歯等によって歯を失ってしまった際に人工の歯で補う治療法になります。差し歯は虫歯により神経を失った歯に土台を立てかぶせる治療法になります。以前は歯を失ったときの治療法として、「ブリッジ」「部分入れ歯」がほとんどでしたが、ここ10年でインプラント治療を希望する患者様は非常に増えてきました。

インプラントの長所

①噛む力が強い
歯を失った場合の3つの治療法|抜歯後の治療の解説|高松市の吉本歯科医院

インプラントの最大の長所は、とにかく噛む力が強いことです。インプラントは歯を失った部分に、人工の歯根を埋め込むため、大きな力がかかっても耐えることができます。

②両隣の歯を失わなくてすむ

人工の歯根を埋め込むためブリッジや部分入れ歯のように両隣の歯に頼る必要がありません。ブリッジ治療は両隣の歯を大きく削り取る必要があり歯の寿命が短くなります。部分入れ歯もひっかけた健康な歯を揺さぶるため歯の寿命が短くなります。インプラントは独立して新しく歯根を埋め込むため周囲の歯へ負担がかかりません。

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③見た目が自然

被せものの種類を選ぶことができるため、見た目は自然でご自身の歯のように見えます。

インプラントの短所

①保険がきかない

保険がきかないため治療費が高額になる

②手術が必要

顎の骨に人工の歯根を埋め込むため外科手術が必要になる

③治療期間が長い

人工の歯根を埋め込んでから骨とくっつのに時間がかかるため治療期間が長くなる。

④定期メインテナンスが必須となる

④定期的メインテナンスを怠るとインプラント周囲炎などの感染症を発症する危険性がある。

歯を失ったまま放置するとどうなる?

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3つの治療法を選択せず歯を失った部分を放置される方もいらっしゃいます。

歯を失った部分を治療せずにそのまま放置するとどうなるのか?というお話をしていきます。

①他の残った歯が倒れ込んでくる
歯を失った場合の3つの治療法|抜歯後の治療の解説|高松市の吉本歯科医院

歯は実はわずかですが動き続けています。抜けた部分をそのままにしておくと歯は前に倒れ込んできてしまいます。

歯を失った部分を長期間放置すると、後ろの歯が前に前にドミノ倒しのように傾いてきます。

後ろの歯が前に傾いてくることで前歯が突出してくるという危険性もあります。

歯を失った部分を放置しておくことで、周囲の歯のかみ合わせに悪い影響を及ぼしその結果お口全体の噛み合わせが悪くなってしまうということが起こります。

お口全体の噛み合わせバランスが悪くなると単純に見た目だけの問題ではなく実は全身への悪影響に繋がっていきます。

歯を失ってしまった場合にはその後何もせず放置するのは避け、お伝えしました上記の3つの治療法の特徴を知った上で「あなた」の生活スタイルに最適な治療をお選び頂ければと思います。

抜歯になった部位によって選べる治療が変わる

お伝えした「3つの治療法」ですが抜歯をされた部位によって選べる治療が変わってくるため注意が必要です。

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ブリッジ治療ですが一番奥の歯には治療が行えません。両隣の歯で橋渡しをするため一番奥の場合はブリッジを装着することができません。

また前歯にブリッジを装着する場合にはどうしても見た目が気になってしまうという難点もあります。

歯を失った部位によってどのような治療が最善か、患者様によって違います。

吉本歯科医院では咬み合わせをキチンとするということを考慮し、それぞれの患者様に最善の治療をご相談の上、ご提案しております。

歯を失われこの後、どうすればいいのか?とお悩みの場合にはまずはご相談下さい。