香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
ご相談を頂きました。
『もともと歯並びが良い方ではなく最近になって
急に前歯が前に飛び出してきたような気がします。
通っていた歯医者さんで診察を受けた時に「親しらず」のことを
指摘されましたが4本全部が歪んで骨の中に埋まって生えているので
抜歯するのが怖くそのままにしています。
歯科治療へのトラウマもあり10年ほどそのままです。』
このような状態でお越し下さる方は非常に多いです。
みなさんは親知らずという歯をご存知でしょうか?
親知らず(おやしらず)は、痛くなければ抜かなくてもいい
親知らず(おやしらず)は、もし歯がなくなった時に使えるから抜かずにおいておこう
または
親知らずは抜くと痛そうだし、
抜くと腫れそうなので
抜かずにおいておこう
という方はとても多いかと、思います。
また、親知らずが虫歯になった
というわけでもないのに、なんで抜かなくちゃいけないんだろう?
そう、思われる方が
ほとんどです。
実際に、私の医院にも「親知らずって、抜いた方がいいんですか?それとも
抜かずにおいておいた方がいいんですか?」というご質問は
多く頂きます。
噛み合わせを専門にしている立場から
親知らずについてどう考えているのか、お話しますね。
動画でご覧になる方はこちらを↓
親知らずは、抜いた方がいいと、考えています。
縄文時代の方の遺骨を見せてもらったことがあります。
縄文時代の人々の親知らずは、きれいにまっすぐ、生えていました。
しかしながら、
私が診せて頂いた何万人という患者さんの親知らずは
そのほとんどの患者さんの親知らずはズレて生えているんです。
そして、他の歯に対して「悪さ」をしています。
親知らずだけがダメになるのではなく、他の歯に対して
悪い影響を及ぼしているんです。
何万人という方のお口の仲を診せていただいて
ほんの数人なんですね。
「ああ、この人は親知らずを残しておいてよかったですね」
と言える方は。
ですから、ほとんどの方にとって
親知らずは無い方が良いのです。
親知らずはこのように
横に向いて生えてくる方が多いんです。
これは、レントゲンを撮影してみないと、わかりません。
そして、
横からこのように押されていくわけです。
押されてくる力がここで止まってくれればいいのですが
親知らずが出てこよう、出てこようとする力、とっても強いんですね。
ぐぐぐっと押されてしまいます。
8番目(親知らず)が7番目、6番目、5番目と順々に
どんどん押して
まるでドミノ倒しのように
歯を崩していくのです。
イメージして下さいね。
満員電車に乗っていると、想像して下さい。
隣の方がぐぐぐぐっと押してきますよね。
そこであなたのカバンがはさまったとします。
少々の力では取れないですよね?
抜けないですよね?
ものすごくひっぱってもなかなか取れないですよね?
お口の中でも同じようなことが、起こります。
親知らず(8番目の歯)がお隣の7番目の歯をギュッギュッギュウと押します。
7番目の歯が押されるとお隣の6番目の歯が押されます。
この状態になると
歯と歯の間に大きな力がかかって
汚れやバイ菌が詰まります。
頑張って歯ブラシするんだけれども
実は汚れやバイ菌は取れないんです。
さらに、悪いことには
噛むことによって
上から下へ
上かた下へ
ガンガン噛むことによって
どんどんバイキンが
下へ下へと
押し込められていくのです。
そうすると、
歯を支ええている根っ子があるのですが
この根っ子は骨で支えられています。
骨だから、支えることができているんです。
その大事な骨が、押し込められたバイキンによって
溶けてしまう。
支えがなくなってしまう。
骨という支えがなくなってしまうと
どうなるか?
噛めなくなってしまう
のです。
8番目の親知らずがどんどん隣の歯7番目、6番目と押していきます。
横から押され
どんどんバイ菌がたまります。
バイ菌がたまると
歯が溶けます。
さらに、横からの力がかかることで
穴があいてしまいます。
穴があくので
歯は壊れます。
穴があくと
そこからバイキンは入り放題です。
穴があいたところからバイ菌が入り
痛みが出始めます。
痛くなったら、歯医者さんに行きますよね?
歯医者さんに行くと
削って詰め物をします。
しかし、削って詰め物をしても
横に生えている親知らずがどんどん押す力は
止まっていませんので
治療した部分がまた壊れる
ということを繰り返すのです。
場合によっては詰め物が
取れてしまいます。
詰め物が取れたら
みなさんはまた歯医者さんに行きますよね?
そうすると
また削って詰めて治療します。
小さな詰め物では弱いので
今度は大きな被せ物を被せます。
しかし、また横に生えている親知らずが
押してくるので
同じことです。
今度は被せ物が壊れ外れるのです。
神経が生きている歯であれば
どんどん歯がしみてきます。
隙間があいていますから
どんどんバイ菌が入り放題です。
痛みがおさまらなくなってきます。
痛みがおさまらなくなると
「これはもう歯の神経を取らないといけない」
という診断になってしまいます。
歯の神経を取ると
その歯にはもう栄養が行き渡らなくなりますので
歯の強度は一気に落ちます。
どれほど落ちるかと申しますと
10分の1程度まで、落ちます。
そして、
歯の神経を取ってしまうと
痛みそのものを感じなくなってしまいます。
根っ子が割れてしまい
結局は、歯を抜かないといけなくなってしまう
という最悪のことが、起こるのです。
根本原因である親知らずを放置したまま
または、7番目や6番目の歯の痛みや虫歯のような症状が
親知らずが押してきていることが原因だと知らないまま
ずっと、虫歯だと思って治療を繰り返している方は
何度も治療繰り返すことにより
最終的には歯を抜かないといけないことになっている
というケースは決して少なくはありません。
20代、30代のお若い方であっても
このようなことが、お口の中で起こるのです。
歯を失ってしまう
ということの最初の原因が
実は親知らずを抜かずに放置していたからだった
ということは、多いのです。
もう一度満員電車をイメージして下さい。
満員電車の中に、さらに駅に止まるたびに
どんどん人が入ってくるんです。
その場にそのままじっと立っていることができなくなるんです。
だいたいは、
一緒に押された流れによって
倒されていくのです。
押されて押されて
一番弱い子が弾き飛ばされるのです。
お口の中の歯でいえば
一番弱い子とは
前歯の1、2、3番目のあたりは
とても弱い存在です。
奥歯は三脚のように歯の根っこが3本もあるのに対し
なんと前歯は支えが1本の根っ子しか、ありません。
奥歯は自分で立つことができますが
前歯は支えがないと
簡単に倒れてしまう歯なのです。
こんな方はいらっしゃいませんか?
中学生や高校生の頃までは
前歯はきれいに並んでいたと思うのに
40代、50代になって
急に、前歯がガタガタになってきたわ、という方
いらっしゃいませんか?
下の前歯がちょっと飛び出てきたわ
という方いらっしゃいませんか?
噛んでいる上の前歯が飛び出てきたわ
そして
正面から見たら歯と歯の隙間があいてきたわ
という方
いらっしゃいませんか?
という方はいらっしゃいませんか?
実は、
このようなケースは
親知らずが原因だったということが
あるのです。
このように
親知らずは、まったく関係ないだろうと思われる部分に
悪い影響を及ぼします。
普通では予想もできませんよね。
こんなもったいない
こんなつらいことは
ないですよね?
先ほどは
8番目(親知らず)がお隣の7番目の歯を横から押してくるんだという
話をしました。
実はもうひとつの生えてき方があるのです。
それは
下から出てくることがあるのです。
下に出てくるのです。
歯は頭でっかちで下は根っ子で支えれています。
歯は頭は硬く、下の根っ子は弱くて柔らかい材質なのです。
8番目(親知らず)の硬い頭が
7番目の弱い根っ子部分をガンガンギュッギュと押してきます。
硬いものと柔らかいものがぶつかります。
硬いものと柔らかいものがぶつかると
どうなりますか?
当然、柔らかいものが
ダメージ
を受けるのです。
を受けるのです。
8番目(親知らず)の歯は健康であっても
そのお隣の7番目の歯の根っこがやられてしまうのです。
7番目の歯の根っこがやられてしまう。
そうするとどうなるでしょうか?
根っ子にダメージを受けた7番目の歯は
支えを失ってしまいます。
支えを失った7番目の歯は
ダメになってしまうのです。
親知らずではなく
健康だった親知らずの隣の歯(7番目の歯)を
抜かなくてはいけなくなってしまうのです。
こんな悲劇が
起こってしまうのですね。
また、こんなこともあります。
歯は頭でっかちの作りになっています。
親知らず(8番目の歯)が斜めに出てきてしまうと
頭でっかち同士の歯がぶつかってしまいます。
歯の頭は硬いもの同士ですので
ぶつかるとどうなるか?
上に持ち上げられてしまうんですね。
なんと
8番目(親知らず)が生えてくることによって
お隣の7番目の歯がグイグイと上に持ち上げられてしまう
ということが、起こってしまうのです。
手前にも押しますが
なんと上にも押し上げられてしまうのです。
噛み合わせというのは
上の歯と下の歯が食べ物をすりつぶします。
上下左右に動くというのが
噛み合わせの動きです。
重たい荷物を持つ時、
一人で持つよりみんなで持ったほうがいいですよね?
みんなで力をわけて、持ったほうがいいですよね?
歯は親知らずを除くと全部で
28本あるのです。
28本みんなで
支えればいいですよね?
上に持ち上げられますと
飛び出てくる歯が出てきます。
1本だけ上に持ち上げられて飛び出ている歯があると
噛んだ時どういう事が、起こりますか?
持ち上げられた歯ばかりが
当ってしまいます。
その結果、
何が起こるのでしょうか?
なんと
上の奥歯が壊れてしまうのです。
下の親知らず(8番目)がお隣の7番目の歯を持ち上げます。
上の奥歯とぶつかり
上の奥歯が壊れてしまうのです。
上の奥歯が壊れたんだから
普通は
上の奥歯にバイキンがたまって虫歯になったんだろう
とお考えになります。
しかし、原因は親知らずだったということも
多くあるのです。
親知らずは
痛くなったら抜けばいいという方が
圧倒的に多いです。
しかし、
問題はそんなに単純ではないのです。
親知らずは虫歯になって抜けばいいだけかもしれません。
しかし、親知らずによって
悪さをされた歯はもう元に戻ることはありません。
親知らずは
できるだけ
生えてくる前に抜くことを
おすすめします。
親知らずは痛くなったら抜けばいい
というようなものではないことを
知って下さいね。
私の場合はどうかしら?とご不安になった場合は
どうぞお気軽にメールを下さい。
お悩みのお口の状態をお写真で撮影して下さっても
結構です。どうか一人で悩まないで下さいね。
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