☑50代になって前歯が急に前に飛び出してきた気がします。歯周病でしょうか?
☑下の前歯がガタガタになって、上の前歯が出っ歯になってきたのでなんとかしたい
とてもよくご相談いただくケースです。
できれば
上の前歯をセラミックなどに被せ物をやりかえて
ひっこめることは
できないか?
というご希望です。
出ている部分を
削って新しい被せモノをかぶしてしまえば
引っ込みそうな気が
確かに、しますよね。
しかし、
実は、出ている部分だけを
たんに被せ物だけでやりかえをしたとしても
すぐに壊れてしまったり
割れてしまう
ということが、起こります。
理由をお話しますね。
前歯が折れた
前歯がグラグラしてきた
前歯が前にぐっと飛び出してきた
また
顎が痛い
顔がゆがんできた
いろいろな症状がありますが、その全ての大きな原因に「噛み合わせ(噛みあわせ)」のバランスの悪さ」があるんです。
「虫歯ができやすい」ことと「噛み合わせ(咬み合わせ)の悪さ」が関係するのか?
噛み合わせ(咬み合わせ)が悪い、
つまり歯が正常に並んでいないので、
その歯並びの悪い部分には当然虫歯菌が溜まりやすく、
いつもバイキンが住み着いている状態になっています。
ですので、噛み合わせ(かみ合わせ)が悪い方のお口の中は虫歯でいっぱい、ということがよくあります。
そして
前歯が折れた、ということは、
今回、歯が折れる前からもう既に折れやすい状態だった、ということがいえるのです。
歯は28本が正常に並んで始めてバランスを保っています。
その中でどこかの噛み合わせ(かみ合わせ)のバランスが崩れると、前歯が本来耐えうる噛む力以上の負荷がかかって噛んでいることになります。
ですので、日々の咬む力で少しずつ、前歯は折れやすい状態になっていっており、少しの衝撃や少しの咬む力である日突然折れてしまいます。
正常な歯並びであれば前歯はそうそう簡単に折れることはありません。
全ての治療において、吉本歯科医院では「噛み合わせ(かみ合わせ)のバランスが歯科の治療には最も大切である」と考えています。
お時間あればぜひこちらをご覧下さいね。
前歯が飛び出てきたとか、
前歯がガタガタになってきた。
ある日突然気がついたら歯が動いてしまっていた。
こんなご相談とっても多く頂きます。
患者さんのお話をおうかがいしていると
歯は動かないと思われている方、多いんですね。
実は歯は動きます。
歯は一生動き続けるんです。
歯が動く理由にはいろいろあります。
一番大きいのは親知らずです。
イメージ的には満員電車に乗っていると思って下さい。
どんどんどんどん人は入ってきます。
その時にじっとそこに立っていられるでしょうか。
流れによってどんどん動かされて行きます。
そして、一番弱い子が弾き飛ばされる。
そのように
後ろから前、
後ろから前
というふうに歯が飛び出てきます。
強い力で歯を動かすと、動かないですよね。
でも、矯正治療という歯を動かす治療ってあるんですよね。
あれ実はゴムで引っ張っているだけです。
ゴムで引っ張っているだけ、わずか数十グラムの力で歯は動きます。
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そして
この親知らず、もう何年もかけて押してるんです。
そのように持続的な力というのは、弱い力であっても歯を動かせるんです。
またベロ(舌)でも100g200gの力で押してきますから、そういうことでも歯は揺れます。
歯の形体は前歯と奥歯、まったく違います。
前歯の根っこは歯茎に隠れていて見えないんですけれども1本です。
それに対して奥歯は根っこがカメラの三脚のように3本だったり、さらに強い4本だったりします。
本来であるならば噛む、噛む力を支える、これは奥歯の役目です。
奥歯で噛んで前歯はほとんど当たらない、そういう状態が本来の形です。
ところが、奥歯が押されることによって崩れてきた。
歯が抜けることによって奥歯で十分に噛めなくなった。
歯は前後的、上下的にお互い支えあってますから、歯を抜けた状態(はがない)にしておくと両隣の歯が倒れてきたり、噛み合う相手の歯が相手を求めて飛び出てきたりします。
そのような原因から
奥歯で十分に噛めなくなる。
そうすると、必然的に前歯同士が強く当たってしまうんですね。
前歯は少し、気持ち出っ歯の状態が噛みやすいようになっています。
奥歯がない状態(はがない)で前歯だけがガンガン当たります。
そうすると上の歯は更に上へ、相手は逃げますから下の歯はさらに上へ、というふうに歯が動いていってしまうんですね。
次ぎに多いのが歯周病です。
歯の周りの病気です。
歯は何で支えられるか、何で支えられているかご存知ですか。
よく鏡で見て歯茎があるから、歯茎っておっしゃられる方が多いんですけれども、
歯茎は肉です。
肉なので、こう力をかけると変形します。
奥歯のように100kgとかそういう力を支えることは出来ません。
歯茎の下には骨があるんです。
骨があって、そこに歯が植わっている、そういう状態です。
イメージ的には砂の山があって棒が刺さっている、そのように思ってください。
そして、この状態で歯が支えている周りの骨が溶けていく。
砂の山が骨だとすると、
どんどん砂が減っていくと
刺さっている棒がグラグラしてきて
そのうち倒れますよね。
こんなイメージです。
なので動きやすくなるんですね。
同じ力でも動きやすくなります。
そのようないろんな原因によって歯は一生動き続けるんです。
では動いていっているこの歯をどうするのか?
ほおっておけば間違いなく悪くなるだけです。
置いておいて良くなることはないです。
崩れていっている状態であれば、その後そこで止まるというのもないです。
どんどん悪くなります。
ですので、それを今の状態で止める。まっすぐだったらしっかり止めますが、
倒れてますからそれを支える。
もっと理想的には、元あった場所に戻してあげる、そういう治療もあります。
また奥で噛めないのが原因であれば、奥で噛めるようにキチッと奥歯を作ってあげる、
そういう治療もあります。
その方その方の状態に応じて、その治療法は選択肢があると思いますので、それぞれの治療のメリットやデメリット、それをよくかかりつけの先生とご相談なさってください。
ちなみに私は倒れているのをこれ以上倒れないように止めておくということで、
「マウスピース」というのを使っています。
スポーツ選手でも格闘技の選手でもないのに「マウスピース」と思われるかもしれませんけれども、歯は一生動き続けますから、それを夜寝る時にマウスピースを入れることによって、弱い歯いっぱいを一つのものとして力を止めるんですね。
そうすると歯が動きにくくなります。そしてマウスピースは変形しません。
形いっしょです。
常に同じサイズを同じところに入れますから、歯の位置関係が変わらないんですね。
もちろん日中、お食事の時は外さないといけませんから、日中の力によってダメージを受けます。
ですので、夜着けることによって悪くなることを遅らせる。
24時間歯が揺らされるのでなく、なるべく揺らされる時間を少なくする。
それによって歯の寿命を延ばすということが出来ます。
先生それぞれによって考え方はいろいろあると思いますので、いろいろな治療法のメリットやデメリット、そのようなものを相談してお決めになられることをお薦めします。
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