こんにちは。

吉本歯科医院の吉本彰夫です。

平成21年5月30日(土)31日(日)
東京で開かれた第二回Pacific Osseointegration Conference(POC)に参加してきました.

 

RIMG1988.JPGのサムネール画像

吉本彰夫が師と仰ぎ、お世話になっている小宮山彌太郎先生や
吉本の所属する岡山大学インプラント再生補綴学分野が主催する岡山大学病院 認定口腔インプラント講習会でご講演いただいた中村社綱先生が中心となって行われている会です。

一日目は「成功するインプラント治療失敗しないインプラント治療」と題して 東京医科歯科大学インプラント・口腔再生医学春日井昇平教授にはじまりました。

特に印象に残ったのは、2日目の元イエテボリ大学歯周病教室助教授Dr. Ingvar Ericssonの「Criteria for Immediate Funtion」という講演です。
Ericsson先生は今日のインプラント治療の礎を築き,世界的権威であります.

歯周・補綴,両方の専門医であり,Dr.Lindhe, Dr.Branemarkらとともに多くの著名な論文を執筆されています。
約20年位前からのイミディエートインプラントの歴史と、現在分かっているこ とを含め、大変分かりやすく教えていただきました。

ブローネマルク先生が初めてインプラント治療を行われた患者様はすでにお亡 くなりになられ,40年にわたりインプラントを使われたことは有名です.
2番目の患者様の40年近くになる症例も教えて頂きました.

最後のディスカッションでは,
最近の傾向として,早く安く簡単にという流れが出てきている。

下顎の総義歯 の場合,確かに今まで歯が入るのに8ヶ月かかっていたのが,その日に仮歯が入 る時代となり患者様の苦痛や費用等のメリットがでてきた。

見た目も良くなってきた。

だがしかし,現代の基準では不合格かもしれないが,実際にブローネマルク先生が手術した患者様は何十年もインプラントが機能している状態である.
この事実をどのように受け止めるのか?

目先のことにとらわれずに,その患者 様の将来を見据えた治療計画を行わなければいけないと再度認識した.

 

また「上顎優先のインプラント補綴―術前診断と治療計画の重要性―」と題し て東京都開業の武田孝之先生が行った講演では、患者さんの将来を見据えて トータルで治療計画をたてると,上顎優先になることを非常にわかりやすく教 えていただきました.

吉本も常に上顎優先で治療計画を行っています。
確かに治療の期間や費用は高くなるかもしれませんが,その患者様の一生涯での治療計画ということを念頭に置けばとても重要なことであります。

実際に患者様が治療を行うか行わないかは別として,患者様が選択できるよう に,将来起こるであろうリスクを知っておくことは非常に大事だと思います。

吉本が常に基本にのっとって上顎優先で治療計画を行っていることを明確に理 論的にお話しいただけたことは,さらなる自信と患者様に伝えなければいけな いことを明確にしていただけた講演だと思います。

例えば,
下顎の総義歯が咬めないということで,下顎にインプラントをされた患者様が 将来上顎がどうなっていくのか?ほとんどの場合,上顎が耐え切れずに歯がな くなっていく.またその時には上顎の骨が無くなって行く.なくなった後に十 分なインプラントができるのか?インプラント出来ない状態にまでなってしまっている方がたくさんいらっしゃる.下顎インプラントの咬みこんでくる力に 耐えられるような上顎の設計が事前に必要である.

確かに治療の期間や費用は高くなるかもしれませんが,その患者様の一生涯の治療計画ということを念頭に置けばとても重要なことであります。
実際に患者様が治療を行うか行わないかは別として,患者様が選択できるよう に,将来起こるであろうリスクを知っておくことは非常に大事だと思います。
知ってさえいれば,10年後にビックリして「どうしよう.どうしよう」と慌て ることなく,「あー.このことだったのか」と理解でき,次の対策をより早く 気づき行動することが出来るのです.

二日目は雨模様で参加者が少なかったですが,それが返ってラッキーでもありました(^^)

ここからは余談ですが,
少しずつですが,諸先生方とお話しできる機会が持てました.

小宮山彌太郎先生と、私も参加させていただいた第一回Pacific Osseointegration Conference(POC)でのこと,ブローネマルク先生の話が弾 んで衛星中継が30分も延長して・・・.
衛星中継って分単位でそんなにもお金がかかるのですね.驚きました.

 

<https://www.8181118.com/director/img/RIMG0013.JPG>

写真は第一回のときのアンテナ(2007年3月)

RIMG0013.JPG

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