香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
3ケ月に一回は歯の掃除のため歯医者さんに通い続けてきたという50代男性です。
1日3回食後には歯ブラシをして歯間ブラシでちゃんと歯の掃除も欠かしません。
虫歯は1本もなく歯は丈夫で、この先も安心と思っていたとのことでした。
ある日激痛が走りかかりつけの歯科医院を受診したら
「奥歯が2本歯の根の奥まで割れてしまっているので抜歯するしかありません」
と診断を受けた。
虫歯は1本もなく歯周病でもないと思うのにこの歳で歯を抜くなんて・・・とご不安になられ
吉本歯科医院を受診されました。
歯医者さんで定期的に歯のチェックを受けていたけれども
ある日突然、歯が痛くなり、あるいは違和感を感じるようになり受診したら抜歯宣告というケースは
決して少なくはありません。
歯を抜きたくない
ご相談にお越し下さる患者さんは非常に多いです。
8020推進財団という組織があります。
80歳で20本の歯を残そうというスローガンをもとに設立されている組織です。
この財団が永久歯の抜歯原因を調査したものがあります。
その中で
虫歯や歯周病がコントロールされたメインテナンス下では失われた歯のほとんどが失活歯であり歯の喪失の最も一般的な原因は「歯根破折」であった。
という報告があります。
この患者さんのように3ケ月あるいは半年に1回定期的に歯の掃除に通っている方は
虫歯や歯周病にならないように維持することができているため
虫歯や歯周病で歯を失うことはほぼない。
定期的に歯のメインテナンスをして歯の清掃状態が良い方が
歯を失う最も大きな原因は「歯根破折」である
ということになります。
歯の破折は盲点
歯の破折、歯が折れる、歯が割れる、歯にビビがはいるといったことは「盲点」となっているんです。
盲点であるため、なかなか気がつきにくく予防をしている方もまだまだ少ないのが現実です。
虫歯や歯周病はテレビや雑誌でも
「歯を磨こう」
「定期的に歯の掃除に行こう」
と啓蒙されていますが
破折に関してはまだまだ多くの国民が知らないのが現状です。
※8020推進財団 永久歯の抜歯原因より抜粋
そして歯根破折が起こりやすい歯とは
「過去に神経を取る治療をしている歯」
なのです。
歯の神経を取ってしまうとその歯は枯れ木状態となり強度は10分の1まで落ちています。
歯の神経を取らなくてはいけないような状態にしないことがまずは大事です。
虫歯や歯周病もなく歯は丈夫なんだという方であっても、破折により抜歯となってしまうケースはよくあります。
歯の破折に対する予防を行わなくてはいけません。