香川県 高松市のかみあわせ専門吉本歯科医院の吉本彰夫です。
何度も同じところが虫歯になってしまうというお悩みで来院されました。
過去に歯を何度も削って詰めている部分です。
再発ばかりする原因を知りたいとのことでした。
被せ物が取れた歯の中身です。
ばい菌が入り込んで
黒く中は柔らかくなってしまっています。
このように削って詰めてという治療を繰り返してこられていました。
しかし、またここでこのまま虫歯の中身をきれいにして被せものをしたとしてもまたすぐに同じように虫歯になってしまうのです。
それは虫歯になる原因をお口の中から取り除いていないから、です。
そしてこの歯をレントゲン写真でうつすと水色のまる部分なんですね。歯医者さんのレントゲン写真の見方
何が起こっていると思いますか?
歯の根っこがひんまがって横の歯に押しつぶされているんです。
隣の歯がどんどん押して健康だった歯を潰して破壊しているんです。
この患者さんはこの部分を何度も虫歯治療を繰り返してこられたそうです。
何度治療しても外れて痛くなっていた最初は小さな詰め物ですんでいたんです。
でも、どんどん虫歯治療を繰り返すうちに歯を大きく削り大きな被せ物をしなくてはいけない状態にまでなっていました。
さらにはその過程で「歯の神経を取る治療」までしています。
歯の神経を取る治療をしてしまった後はその歯は死んだ歯です。
死んでいるので痛いもしみるも感じません。
自覚症状がなくなります。
自覚症状がないまま歯はさらに破壊を続けます。
この患者さんは歯磨きをしなかったから、こんなに何度も虫歯を繰り返したのでしょうか?
違います。原因はかみあわせ、です。
R(右)したに8と赤く記しているのが親知らずです。
親知らずを抜かずに放置しておいたことで親知らずがどんどん隣の歯を押し続けぐいぐいと隣の健康な歯たちを破壊し続けます。
健康だった歯の神経まで取ってしまうことになったのです。
このような状態のまま同じところに被せ物をしてもまたすぐに破壊されます。
削っては詰めて削っては詰めてという虫歯治療を繰り返しさらに親知らずの押す力が断続的にかかり続けたことによりこの患者さんの◯印の歯は歯の根っこが折れていまっていました。
歯根破折です。
歯根破折になってしまうと歯を抜かなくてはいけないという診断になってしまうのです。
かみあわせをキチンとして歯の治療をするという意識をどうか、歯磨きを毎日するのがあたりまえという意識と同じように習慣化して欲しいです。
歯を抜かなくてはいけなくなるとその後は入れ歯かブリッジかインプラントです。
または、歯がないままか、です。
自分の歯に勝るものはありません。